時をまたいで仕掛けた
あの、恋のつづき。
亡くなった祖母の思い出がたっぷり染み込む家で、突然の思いつきで始めた「タイム屋文庫」。タイムトラベル専門の貸本屋というそのアイデアは、実はかつて置き去りにしてしまった恋のつづき。そこで彼女は、たった一人の客を待つつもりだったのだが……。
考えなしで抜け作の三十女が、心機一転をはかって繰り広げるロマンチックストーリー。
朝倉流ファンタジィ。
ほんのりクラシカル、それでいてドライ、突き放したかと思ったら、ぐぐっとこっちに向かってくる、上手く言えないけれど、読んでいて実に心地良い、楽しい。
毎回毎回、書いているけれど。
目に見えない、自分で言葉に出来ない、あれやそれやを表現するのが本当に(不遜な言い方ですが)巧いなあ。
設定は現代で登場人物もいわゆる一般人なのに、2ミリくらい宙に浮いている感じの世界観が、好き。
擬音ひとつとっても「むった、むった」なんて、ラヴリーすぎるぜ。
29/05/2008 Thu 18:55 | 読書
こんなアホな神頼み旅をやる奴、彼しかいない!
2007年1月、ある願いをかなえるため著者は愛車キタ2号にまたがり遍路の旅に。あらゆる神仏に祈りつつめざすは日本最南端の島。その発想と行動力にア然、人の心にジーン。愉快爽快な写真日記55日。
blogを文庫化したもの、なので新鮮味はなかったなあ。文字も大きいし。
書籍で読むと、blog特有のリアルタイム感って随分目減りするんだ、と。
24/05/2008 Sat 22:05 | 読書
かっこ悪くていたたまれなくて、ちょっぴり愛しい上京ボーイズ&ガールズのキャンパスライフ。大学生たちの息遣いと切実な思いをリアルに描いた青春グラフィティ! 「見ろ、空は白む」など6編を収録。
やや、これは良いです。
大学生のみっともなさ、登場人物たちの描き方、どうしようもないけれどどうにかしたい、そんな、うぐうぐした感じが見えてくるみたい。うぐうぐ。
19/05/2008 Mon 22:12 | 読書
世界のクライマーから「ホワイト・タワー」と呼ばれ、恐れられた山がある。死と背中合わせのその北壁を、たった1人で制覇した天才クライマー。その業績に疑問を投じる一編のノンフィクションに封印された真実とは……。
第25回新田次郎文学賞受賞の表題作ほか全3編。山岳ミステリー集。
久しぶりの山岳小説、久しぶりのこの著者。
相変わらず、どうしてこうウエットなんだと突っ込まずにはいられないところも含めて。
ちょっと表現がこってりしすぎているのは敢えて?なのかしら。
17/05/2008 Sat 19:09 | 読書
上司との不倫に破れて自暴自棄になっていた29歳のあたしは、なぜか平安時代の17歳の女官・小袖の身体にタイムスリップしてしまった。中宮彰子の教育係である香子さまの元で働くことになったが、なんとこの香子さまは現在、あの「源氏物語」を執筆中、ということは「紫式部」であるらしい……。香子さまの片腕となって取材するあたしは、物語化された女たちや事件の意外な真相に触れることになる……。
設定は物珍しくもないですが、内容はいかにも氏だと。
10/05/2008 Sat 20:38 | 読書
HEARTBEATの続編。NYの失踪人課の男を少女を捜す少年が訪ねてきた。映像作家の青年も加わり、探り出した悲しい真実とは。切なくもあたたかなミステリ。
ストーリーは決してあたたかくはない、この著者の持ち味ですかね、それが薄まってる。舞台がNYで登場人物もアメリカ人。翻訳ものめいたフィルターがそれをさらに効果的にしている感じ。
10/05/2008 Sat 20:36 | 読書
監督: ジョエル・コーエン,イーサン・コーエン
製作: ジョエル・コーエン,イーサン・コーエン, スコット・ルーディン
製作総指揮: ロバート・グラフ,マーク・ロイバル
原作: コーマック・マッカーシー 『血と暴力の国』(扶桑社刊)
出演: トミー・リー・ジョーンズ エド・トム・ベル保安官
ハビエル・バルデム アントン・シガー
ジョシュ・ブローリン ルウェリン・モス
ウディ・ハレルソン カーソン・ウェルズ
ケリー・マクドナルド カーラ・ジーン
ギャレット・ディラハント ウェンデル
テス・ハーパー ロレッタ・ベル
バリー・コービン エリス
スティーヴン・ルート ウェルズを雇う男
ロジャー・ボイス エル・パソの保安官
人里離れたテキサスの荒野でハンティング中に、銃撃戦が行われたと思しき麻薬取引現場に出くわしたベトナム帰還兵モス。複数の死体が横たわる現場の近くで、200万ドルの大金を発見した彼は、危険と知りつつ持ち帰ってしまう。その後、魔が差したのか不用意な行動を取ってしまったばかりに、冷血非情な殺人者シガーに追われる身となってしまう。モスは、愛する若い妻カーラ・ジーンを守るため、死力を尽くしてシガーの追跡を躱していく。一方、老保安官エド・トム・ベルもまた、モスが最悪の事件に巻き込まれたことを知り彼の行方を追い始めるが、モスを保護できないまま、死体ばかりが増えていく事態に直面し、苦悩と悲嘆を深めていく…。
一片の曇りもない悪。良いです。大変良い。
殆ど音楽がない、強いられる緊張感。
観ている間中、そして観終わって、考えることを止められない。
05/05/2008 Mon 21:07 | 映画
I AM LEGEND監督: フランシス・ローレンス
原作: リチャード・マシスン
『地球最後の男(別題:アイ・アム・レジェンド)』(ハヤカワ文庫刊)
出演: ウィル・スミス ロバート・ネビル
アリシー・ブラガ アナ
ダッシュ・ミホク アルファ・メイル
チャーリー・ターハン イーサン
サリー・リチャードソン ゾーイ・ネビル
ウィロウ・スミス
ダレル・フォスター
エイプリル・グレイス
ジェームズ・マッコーリー
リチャード・マシスンの古典的傑作『地球最後の男』をウィル・スミス主演で映画化したSFアクション。地球規模の災厄によって人類が絶滅してしまった近未来を舞台に、世界でただひとり生き残った科学者の主人公が、孤独なサバイバルを続けながら人類再生への可能性を探る姿を描く。監督は「コンスタンティン」のフランシス・ローレンス。
2012年、ニューヨーク。科学者のロバート・ネビルは3年前に起こった地球規模の災厄をくぐり抜け、この街で、おそらくは全世界で、ただひとり生き残った男。彼は、相棒のシェパード、サムと無人の店舗で食料品や日用品を調達し、セントラルパークに畑を作って生き延びる日々。そして、自分以外の生存者を探して、毎日無線で呼びかけるものの、未だ生存者を見つけ出すことが出来ずにいた。それでも、人類を絶滅させた原因を取り除き、再生の道を探るため、たったひとりで奔走するロバートだったが…。
絶句。ひどすぎる。これは。
05/05/2008 Mon 19:12 | 映画
『ベジタブルハイツ物語』で女子高生だったさやかが大学に入ってはじめての一人暮らし。
小さなつまずきに大泣きしたり、急にいろいろ嫌になったり。かと思えば突然前向きな気持ちになったり。大学でできた大人な友達。軽薄な前カレ。穏やかな恋人。相変わらずしつこく電話してくる父親、そして児童劇団時代のライバル、海野かつ子――。
ゆるやかに過ぎていく日々が、たまらなく愛しい青春の物語。
特筆すべきことが起こらない、そういう日々が連綿と続く。ジェットコースター小説に食傷気味の時にはこういうお話もありですね。ただあまりにも温くて物足りないかな。
01/05/2008 Thu 11:07 | 読書
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