アムステルダムから近所の散歩、原子炉訪問から三宅島一周まで、著者がそこらじゅうを訪れて考察した、脱力感あふれる、ふふふのエッセイ集。
旅行人連載を加筆訂正したものに他誌掲載エッセイ、書下ろし等を加えて刊行。
高野秀行氏が絶賛されていたので読んでみる。
確かに、可笑しい。もう自分好きの自分探しや、旅を必要以上に崇めたてるようなエッセイはゲップですので。
30/09/2007 Sun 14:37 | 読書
フランスに移住して14か月になる。今、この本をまとめたところで振り返ってみて、自分は「異国の客」という身分がつくづく好きなのだと改めて思った…。フランス暮らし。日々の発見と、思索のクロニクル。
久しぶりに手にしたら、今度はフランスですか、そうですか。
28/09/2007 Fri 16:58 | 読書
好きなのに今は会えない人がいる……有麻は25歳OL。高校時代、修学旅行2日目の夜。同級生とのある記憶を確かめるため、約束もなしに上京。6日間の東京滞在で、有麻は会いたい人に会えるのか?
もう、ここまでくると芸と呼ぶしかない、この著者の緩さ温さテンションの低さ。
27/09/2007 Thu 08:21 | 読書
成人、結婚、葬儀、お盆。当り前の儀式が当り前じゃなくなった今だから、改めて浮かび上がる人生の意味。現在を切り取る4つの物語。
それぞれの物語、登場人物のつぶやきやこころの有様が、特別でも突飛でもないのに、じんわり染み込んでくる、と思う。
25/09/2007 Tue 16:17 | 読書
20代は「愛されたい」、そして30代は「愛したい」…。主婦、バツイチ子持ち、未婚の母。3人の30代女性が抱える、愛を渇望する気持ち、新たな恋愛へのためらいなど、いじましくも繊細な女心を克明に描く連作集。
きっとどこかに居るんだろう、の彼女たち。
25/09/2007 Tue 16:15 | 読書
宿した命を喪った夫婦。闇にとらわれた少年。愛猫の最期を見守る老人。ままならぬ人生の途に「奇跡」は訪れた。濃密な文体で、人間の心の襞に分け入ってゆく傑作長編。
今回の主人公は猫。その圧倒的な存在感がずんずん迫る。この著者の描写の濃ゆさはちょっと凄まじい。
21/09/2007 Fri 08:22 | 読書
美大の学食で、働いている美術館で、スーパーで、それぞれ別の男の人に私は思った。この人と結婚するかも。もちろん全部勘違い。でも、英語教室でケンと出会ってから…。表題作他「ケイタリング・ドライブ」を収録。
テレビドラマのシナリオライターという著者、だからでしょうか、つるつると読めるけれど、余韻があまりにもない。これまでの作品の中では特にそう思う。
17/09/2007 Mon 20:10 | 読書
出産にはいくつものストーリーがあり、悩みと笑い、迷いと決定が詰まっているのだろう。だめ妊婦、ばんざい! 天才ロックギタリストの誕生日に母親になる予定の「私」をめぐる、切ないマタニティ日記。
タイトルには強烈に惹かれた。
のですが、角田氏にしては凡庸かしら。
16/09/2007 Sun 20:10 | 読書
黙々と働く昼も、ひとりで菓子パンをかじる夜も、考えるのは恋のこと。あのときああ言っていたら…。今度はこうしよう…。延々とシミュレートし続けた果てに、「私の天使」は現れるのか?
こと恋愛がテーマだからか、客観的な視線がいつも以上に冷たくて凍りそう。
14/09/2007 Fri 21:28 | 読書
パンクを呼びよせる街・成増。メルヘンの光陰がせつない武蔵関・上石神井。「蜂犬」に次ぐ珍犬出現に湧く浅草。魚介の豊富な三崎…大阪出身の人気作家が、上京後暮らした街を訪ね、語り合う「人生とは何か」。悩みがなくなる"路上の大河対談"第2弾。
"語り下ろし"というところにこの本の味わいがあるような気がします。東京をぶらりとしながらの取り留めのない会話が、何とはなしにおかしみを誘う。
13/09/2007 Thu 15:29 | 読書
突然、妻が家出した。行き先も家出の理由もわからない。ただ毎日、電話だけはかけてくる。話すのはたわいもないことばかり。彼女が何を考えているのか、そして何を求めているのか、わからないことだらけだ。いや、もしかすると自分は、妻の何もわかっていなかったのではないか…。
反感ばかり覚えてしまう登場人物たちの不可解な言動に、苛立っているうちに読了。苛立っているのに許せないとは言い切れないし、言いたくない上、言えないのだよ、きっと。
10/09/2007 Mon 15:50 | 読書
I am Sam : アイ・アム・サム監督: ジェシー・ネルソン
脚本: クリスティン・ジョンソン,ジェシー・ネルソン
撮影: エリオット・デイヴィス
音楽: ジョン・パウエル
出演: ショーン・ペン サム・ドーソン
ミシェル・ファイファー リタ・ハリソン
ダコタ・ファニング ルーシー・ダイヤモンド・ドーソン
ダイアン・ウィースト アニー
ロレッタ・ディヴァイン マーガレット
リチャード・シフ ターナー
ローラ・ダーン ランディ
ブラッド・アラン・シルヴァーマン ブラッド
ジョセフ・ローゼンバーグ ジョー
スタンリー・デサンティス ロバート
ダグ・ハッチソン イフティ
知的年齢が7歳のため一人で娘を養育するのは不可能だとしてソーシャルワーカーによって愛娘と引き離されてしまった父親が、娘を取り戻すために敏腕女性弁護士とともに勝ち目の低い法廷闘争に挑む姿を描いた感動作。
ちょっとキレイすぎるとも、思う。
でも誰しもが何かしらdisabilityを抱えているのじゃないかしら。
だからまっすぐすぎるサムが眩しくて。
役者を含め、作る側の真摯な態度の伝わる作品でした。
10/09/2007 Mon 07:59 | 映画

SHORTBUS
監督: ジョン・キャメロン・ミッチェル
製作: ジョン・キャメロン・ミッチェル,ハワード・ガートラー,ティム・ペレル
製作総指揮: ヴァウター・バレンドレクト,アレクシ・フィッシュ,マイケル・J・ワーナー
脚本: ジョン・キャメロン・ミッチェル
撮影: フランク・G・デマルコ
プロダクションデザイン: ジョディ・アスネス
衣装デザイン: カート・アンド・バート
編集: ブライアン・A・ケイツ
音楽: ヨ・ラ・テンゴ
出演: ポール・ドーソン ジェイムズ
スックイン・リー ソフィア
リンジー・ビーミッシュ セヴェリン
PJ・デボーイ ジェイミー
ラファエル・バーカー ロブ
ジェイ・ブラナン セス
ピーター・スティクルス カレブ
ジャスティン・ボンド ジャスティン・ボンド
デビュー作HEDWIG AND THE ANGRY INCHで注目を集めたジョン・キャメロン・ミッチェルの監督第2作となる赤裸々なセックスとピュアな愛の物語。
カウンセラーのソフィアのもとを、ジェイムズとジェイミーが訪れる。彼らは互いの関係を変えようと考えていたのだ。そしてソフィアもまた人に言えない秘密を抱えていた。数日後、ジェイムズとジェイミーに連れられ、アンダーグラウンドなサロン“ショートバス”を訪れるソフィア。そこには、愛を求め、セックスを自由に楽しむ人たちがいた。ジェイムズとジェイミーは、美青年セスに出会い、彼らの関係は微妙に変化し始める。
衝撃、ショック、度肝を抜かれる。
濃い、脂っこい、胸焼けしそうになったけれど、考えさせられる、いろーんなこと。
09/09/2007 Sun 14:10 | 映画
楽しいことは、いつかは終わる。でも、大丈夫。思い出は消えないから。
『当遊園地は今年末を持ち、78年の歴史に幕を下ろします』初めてのデートも将来の夢もプロポーズも、家族の喜びも哀しみも、すべてを包み込むように存在していた遊園地が、閉園する。ノスタルジックな連作集。
舞台がこうだから、まあノスタルジックですよね。予想を裏切らない範囲で楽しむ。
07/09/2007 Fri 15:19 | 読書
その昔、あなたのことが大好きで、そして今では嫌いになった。あまりにも率直に、リアルタイムで綴られた初の自伝的連載小説「結婚失格」…待望の単行本化。驚愕の同時進行形小説。短歌連作「愛について」、歌人・穂村弘と作家・長嶋有のエッセイも特別収録。
一応"書評小説"という形ですが、あらら、これは。うーん、ここまで曝け出されると、外野がぐだぐだ云うことは最早ない。
06/09/2007 Thu 20:30 | 読書
CARLITO'S WAY カリートの道監督: ブライアン・デ・パルマ
原作: エドウィン・トレス
脚本: デヴィッド・コープ
撮影: スティーヴン・H・ブラム
音楽: パトリック・ドイル
出演: アル・パチーノ カリート
ショーン・ペン クレインフェルド
ペネロープ・アン・ミラー ゲイル
ジョン・レグイザモ ベニー・ブランコ
イングリッド・ロジャース ステフィー
ルイス・ガスマン パチャンガ
恋人との純粋な愛に生きるために、血塗られた過去を清算しようとする元麻薬王の姿を描いたギャング映画。
Scarfaceのコンビだけれど、ずっと老成しています。あの突き抜け方は無論望むべくもない。
05/09/2007 Wed 20:41 | 映画
「6時間後に君は死ぬ」。街で出会った見知らぬ青年に予言をされた美緒。信じられるのは誰なのか。「運命」を変えることはできるのか。
タイトルと装丁から想像していたのとは大分異なるストーリーでした。未来が予知できる青年に出遭うことで変わってゆく登場人物たち。総じて未来や運命、と呼ばれるものを変えようとする前向きな姿勢、明るい内容なのでした。うむ。
04/09/2007 Tue 22:37 | 読書
二人には過去(マエ)があった。理由(ワケ)があった。だけど希望(サキ)も、なくはなかった……。下町の片隅で第二の人生を踏み出した芭子と綾香。可笑しくて切ない新シリーズ。
設定が設定だけにいくらでも暗く描けそうな世界を、非常に穏やかな目線で綴っている。タイトルどおり希望を。
02/09/2007 Sun 20:01 | 読書
模倣犯事件から9年が経った。事件のショックから立ち直れずにいるフリーライター・前畑滋子のもとに、荻谷敏子という女性が現れる。12歳で死んだ息子に関する、不思議な依頼だった。少年は16年前に殺された少女の遺体が発見される前に、それを絵に描いていたという―。
土井崎夫妻がなぜ、長女・茜を殺さねばならなかったのかを調べていた滋子は、夫妻が娘を殺害後、何者かによって脅迫されていたのではないか?と推理する。さらには茜と当時付き合っていた男の存在が浮かび上がる。新たなる拉致事件も勃発し、様々な事実がやがて一つの大きな奔流となって、物語は驚愕の結末を迎える。
この著者の小説を読むと、ふと周囲を見回したくなる。
誰にでも起こる、かもしれない、と思うことをこころが拒否するような悲劇。
あのとんでもない小説
模倣犯を抱えながら生きているのは著者本人なのではないかと邪推したくなる。
小説としては、面白くないわけがない。
けれど、どうなんだろう"能力"というのは。清濁の襞の奥深くまで丁寧に言語化してきたこの著者なのに。
01/09/2007 Sat 23:04 | 読書
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