憎しみという負の感情を角田氏がさまざまな形で、ほうら、ここにも、って魅せてくれる作品集。どの作品にも安堵すらおぼえるくらいの悪意と憎しみがちゅるちゅると。"スイート・チリソース"でのフレイズは、そう、真理。
愛することと憎むことは表裏の何かだと茂道は言ったけれど、違う、それはやっぱり歴然と混じりあわない肯定と否定だと翠は思った。混じりあわないはずのものが、個人のなかで矛盾せず同じ強度で存在し得るというだけだ。
28/02/2006 Tue 12:55 | 読書
万博公園内の国立民族学博物館。
オセアニア、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、西アジア、南アジア、東南アジア、中央・北アジア、東アジアの地域展示と、音楽・言語などの展示は豪華且つ豪快。
観て触って撮って突っ込んでると、とても時間が足りません。

インドから来たリキシャに乗ってみる。騒音と埃が蘇る。
旧いものも現在進行形のものも陳列。


チャイ、フォーなどの屋台が並んでおります。



バリからは、Barongが。
Barongは、バリに伝わる聖獣、神獣。
バリ伝統芸能のなかで有名なバロンダンスでは、聖獣バロンは、魔女ランダと永遠に闘う。


ラオスのラオ ルアンパバーン。
1560年に建てられたシェントーン寺に伝わるもの。
大切な仏教行事のときに僧が座り、人々に教えを説くためのもので、即位式で王様の頭に水を注ぐ灌水の儀礼にも用いられたそうである。

北京市の竜舞。
旧暦の正月、春節の代表的な娯楽。
竜は水の神で豊作をもたらすとされる。
竹を削いで丸くしたものを連結して骨組とし、うろこを描いた布・紙で覆っている。何人もの人が支え棒をもって操る。伴奏のもと、昼夜、街を練り歩くが洪水を招く恐れがあるので、家屋のなかには入れないという。竜のヒゲは霊験があるとされ、子どもたちが奪いあう。
催しが終わると焼く、そうである。

鹿児島県のやごろどん、屋内で見るとまた異様な威容。
鹿児島県大隅町の岩川八幡宮の秋祭に、八幡神の神幸行列の先導役として登場する。
竹かご製の胴体に衣装をつけ、木製の仮面を載せた高さ5メートルの像は、4輪の台車に乗せられ、子どもたちに曳かれて町中を巡行する。やごろどんは、地元の人びとによれば、武内宿彌(たけうちのすくね)あるいは隼人族の首領であるといわれている。
27/02/2006 Mon 22:33 | 旅
ポニーキャニオン
監督 : ニルス・ミュラー
出演 : ショーン・ペン
ナオミ・ワッツ
ドン・チードル
ジャック・トンプソン
マイケル・ウィンコット
1974年に起きたニクソン米大統領暗殺未遂事件を描いたサスペンスドラマ。家族から見放され必死に家族再生を願う孤独な男の思いが、大統領暗殺の決意へと変貌していく。
被害妄想に取り憑かれ憔悴してゆく孤独な男。ショーン・ペンの鬼気迫る演技が紡ぎ出す救いようのない重さと暗さ。
27/02/2006 Mon 09:16 | 映画
アミューズソフトエンタテインメント
監督: ペドロ・アルモドバル Pedro Almodovar
製作総指揮: アグスティン・アルモドバル Agustin Almodoval
脚本: ペドロ・アルモドバル Pedro Almodovar
撮影: アフォンソ・ビアト Affonso Beato
音楽: アルベルト・イグレシアス Alberto Iglesias
出演: セシリア・ロス Cecilia Roth マヌエラ
マリサ・パレデス Marisa Paredes ウマ・ロッホ
ペネロペ・クルス Penelope Cruz シスター・ロサ
アントニア・サン・フアン Antonia San Juan
ロサ・マリア・サルダ Rosa Maria Sarda
女と、女になりたかった男たちの物語。
驚愕すべきは、物語が進むにつれて彼女たちが美しくなってゆくこと。最愛の息子を交通事故で亡くした女、HIVに感染しながら妊娠している女、という悲劇的な状況が決して惨澹とならない。"人を楽しませる"という意味の名を名乗るアグラードのチャーミングな明るさが、ぽっと明かりを灯りを灯す。この監督の撮るスペインの鮮やかさはいつも溜息。
26/02/2006 Sun 11:50 | 映画
講談社
Greg Rucka(原著)古沢 嘉通(翻訳)
ボディーガード・アティカス・シリーズ番外篇。アティカスの恋人である私立探偵のブリジットが主人公。タフなヒロインが友人の窮地を救うために闘うハードボイルド。
22/02/2006 Wed 21:19 | 読書
故本田靖春氏のノンフィクション
不当逮捕の著作権侵害に当たる記述があるとして、1月23日から回収されていますが、図書館であっさり入手。
装丁が、良い。
"造船疑獄"を生んだ待合政治の象徴、1953(昭和23)年の"赤坂の料亭街で政治家を待つ車の列"。
昭和30年代の東京を舞台に、政官を巻き込む汚職事件や検察内部の抗争を描いている。東京地検をドロップアウトした元特捜検事は、一人の娼婦と巡りあう。検察庁内部の派閥抗争に否応なく巻き込まれ、翻弄されてゆく男の人生。
当時の風俗(神田神保町の珈琲エリカ!)、新聞記者、警察、政官内部の男たちの奔走。フィクションとしてはとてもとてもスリリングで興味深い。丁寧に取材をされたことは明らか。
口惜しい。世に出ることがないなんて。もっとも一番そう思っていらっしゃるのは著者だろうけれど。
2006年も汚職も賄賂も
粉飾も疑惑も袖の下も、死語にならず。
18/02/2006 Sat 20:52 | 読書
"身近なひとに、すべてを語らずにいるのは、罪だろうか?"
夫婦、恋人、友だち。春夏秋冬、移り変わる四つの季節のなかで、彼等が心の奥底に抱えて生きていくものは果たして何か。
人と人とが関わりあうとき、上手く言葉にできないことはたくさんあり過ぎて、たとえそれは家族だろうと恋人同士だろうと。
痒いところに手が届きそうで、いつだって、数ミリずれている。
18/02/2006 Sat 19:32 | 読書
豊崎由美氏曰く「候補に上がるたんびに"人間が描けてない"と言われ続けた東野さんが、天才数学者・石神による美しい"献身"という人間ドラマを入れ、直木賞仕様に作品を仕上げたんですよ。ラストにあんなバカみたいな泣きを入れてまで」受賞した、第134回直木賞受賞作品。
探偵ガリレオ、
予知夢に続く帝都大学理工学部物理学科助教授、探偵ガリレオこと湯川学シリィズ第三弾。ミステリィとしてきっちり完成しているのに、トヨザキ社長ご指摘のラストシーンは、う。
東野氏の作品はすべて読んでいるけれど、小説というものはこういうものなのだというべき作品をオールラウンドなジャンルで発表し続けて、今更何をの直木賞。
18/02/2006 Sat 11:22 | 読書
ヴァイオリニストの夫、そして夫の先妻と若い愛人。息子とその恋人。"誰よりも美しい妻"は、幸福なのだろうか、不幸なのだろうか。
は、解らないけれど、うっすら怖い、と思う。
17/02/2006 Fri 13:21 | 読書
第25回横溝正史ミステリ大賞&テレビ東京賞同時受賞作。奇妙な同居生活を送っている元刑事の尾木と三人の居候。家出少女が彼らの家に転がり込んできたことをきっかけに、殺人事件に巻き込まれてしまうが…。
選考者の一人大沢在昌氏曰く、
"正当なハードボイルド"。
チャンドラー、ハメット、ロス・マクドナルド以降、道険しきジャンルで受賞したのは素晴らしいこと。驚くほどにきっちりハードボイルドで実に久しぶりな感覚に嬉しくなるのでありました。主人公の独白の小憎らしさたるや。
挟み込まれる絵本、
"虹の種"のくだりが挿話としてはちょっとないくらいに際立っていて参りましたよ。
15/02/2006 Wed 23:25 | 読書
角川書店
Paulo Coelho(著)
旦 敬介(訳)
O Zahir ザーヒルとはアラビア語で、目に見える、そこにある、気づかずにすますことができない、という意味。ひとたび接触をもってしまうと、徐々に私たちの思考を支配して、ついには他の何にも意識を集中できなくさせてしまうもののこと。それは聖なる状態とみなすこともできるが、狂気ともみなすことができる。
-- フォーブル・サン・ペール 幻想百科事典 1953年
webKADOKAWA >>
パウロ・コエーリョ 新作ザーヒルを語る突然姿を消した妻。彼女を追い求め、作家は旅に出た。それは自らの人生の真実を探す旅となった。フランスからスペイン、クロアチア。数々の不思議な出会いに導かれ、作家はついに中央アジアの高原へと辿り着く。というストーリィの、半自伝的小説。
全体を覆う自嘲的な色は濃さを増してゆき、次第に眼が霞みそうになり。
12/02/2006 Sun 11:38 | 読書
Nazar Boncugu
ナザール ボンジュウ/ボンジュック
トルコの至る所で目にする魔除け・厄除けのお守り。
トルコ語でナザールは"邪視"、ボンジュウは"玉"を意味し、青いガラス玉の真ん中に目玉。
妬み深い人の悪意ある視線"邪視"を受けると危害が降りかかったり幸運を逃がしたりすると言われ、"凶眼の魔力"として知られる目玉の威力によって悪いもの全てが打ち砕かれ、青いガラスによって反射し撥ね返される。
これをお守りとして身につけていると災難から無事に逃れることができると信じられている。
似たお守りは今でもトルコだけでなく中央アジアやウイグル等トルコ人の起源であるトゥルク民族系の子孫の間でも存在しているそう。
もし突然ヒビが入ったり割れてしまったら、それは持ち主の身代わりになって悪い事を受け止めてくれたということ。
先月
東京のモスクに行ったけれど、10年前に彼の地で求めて未だ無傷なのです。
11/02/2006 Sat 20:29 | 旅
携帯サイトで連載していたという作品。
大学生の主人公が、前の居住者が置き忘れたノートの束をクローゼットの中で見つける。そのノートが開かれた時、彼女の日常は大きく変わり始める。
これまでの、
虚貌、
火の粉、
犯人に告ぐなどのラインとは異なるタイプ。正直言って落ちはある程度読めてしまうのだけれど、救いはあとがきにあるように、雫井氏の思いが伝わるような、暖かな視線。
10/02/2006 Fri 15:08 | 読書
Universal
Prince
発売日:2006-03-21
2004年の
Musicology以来の新作。
このアルバムからの1stシングル"
Te Amo Corazon"はスロウなラテンナンバ、2ndシングル"Black Sweat"はあストレートにファンキィなナンバ。
アルバムタイトルの由来は"Te Amo Corazon"のデジタル配信日12月13日を逆さにしたものという噂。え、そんな?
The official website of Prince and the NPG3121.com
07/02/2006 Tue 21:49 | 音楽
SONNY/ソニー監督: ニコラス・ケイジ Nicolas Cage
製作: ポール・ブルックス Paul Brooks
ニコラス・ケイジ Nicolas Cage
ノーマン・ゴライトリー Norman Golightly
製作総指揮: ノーム・ウェイト Norm Waitt
脚本: ジョン・カーレン[脚本] John Carlen
撮影: バリー・マーコウィッツ Barry Markowitz
音楽: クリント・マンセル Clint Mansell
出演:
ジェームズ・フランコ James Franco ソニー・フィリップス
ブレンダ・ブレシン Brenda Blethyn ジュエル・フィリップス
ハリー・ディーン・スタントン Harry Dean Stanton ヘンリー・ウェイド
ミーナ・スヴァーリ Mena Suvari キャロル
ジョシー・デイヴィス Josie Davis グレッチェン
ニコラス・ケイジ Nicolas Cage アシッド・イエロー
スコット・カーン Scott Caan ジェシー
シーモア・カッセル Seymour Cassel アルバート
ブレンダ・ヴァッカロ Brenda Vaccaro メグ
マーク・コッポラ Marc Coppola
ニコラス・ケイジ初監督作品。1980年代のニューオリンズを舞台に、娼館を営む母親から男娼としての完璧な教育を受けた青年の、理想と現実の葛藤。
堅気の生活を夢見て、息子を自分の支配下に置こうとする強烈な母親から、現状から抜け出そうと、もがき続けるもどかしさ。
早回しのシーンなんか、唐突で頓珍漢な印象を受けますが、怪演している監督は15年前自らこの主人公を演じるつもりであった、と。
06/02/2006 Mon 12:49 | 映画
第5回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作。
ホラー作家の道尾が白峠村の河原で耳にした無気味な声。その言葉の真の意味に気づいた道尾は「霊現象探求所」の真備を訪れる。。山奥の天狗伝説が残る土地での、神隠し。連続する自殺、自殺者の背中に「 眼」のようなものが 現れるのはなぜなのか?
解説に綾辻行人氏が
京極夏彦氏の某人気シリィズの影響が(かなり露骨に)窺われる。
と指摘されているが。
ま、確かにその気配は濃厚なのだが、エピゴーネンでなくオマージュとして読むとデビュウ作でこれはなかなか読ませてくれるじゃないですか。
二作目を先に読んでしまったから。
05/02/2006 Sun 11:28 | 読書
東京の世田谷線沿線を舞台にした8つの物語。
どのストーリィも日向の匂いのするおはなし。
かつて、世田谷線というのは、大量輸送機関と言い切るのは惜しいくらいの"乗り物"風情が溢れていたもの。
04/02/2006 Sat 13:58 | 読書
ハピネット・ピクチャーズ
監督: クロード・ミレール Claude Miller
製作: アニー・ミレール Annie Miller
原作: アントン・チェーホフ Anton Chekhov
脚本: クロード・ミレール Claude Miller
ジュリアン・ボワヴァン Julien Boivent
撮影: ジェラール・ド・バティスタ Gerard de Battista
出演:
リュディヴィーヌ・サニエ Ludivine Sagnier
ニコール・ガルシア Nicole Garcia
ベルナール・ジロドー Bernard Giraudeau
ミシェル・ピッコリ Michel Piccoli
ジャン=ピエール・マリエール Jean-Pierre Marielle
ロバンソン・ステヴナン Robinson Stevenin
ジュリー・ドパルデュー Julie Depardieu
イヴ・ジャック Yves Jacques
チェーホフの戯曲
かもめを19世紀の演劇界から現代の映画界に舞台を移し、
なまいきシャルロットのクロード・ミレール監督が映像化。
南フランスブルターニュの別荘で起きた出来事。四年後、ジュリアンは初監督作品として、恋人と家族のあの夏を映画化する。人気女優になったリリィの心模様と、ジュリアンの成長ぶりが、じりじりひりひり。
03/02/2006 Fri 08:40 | 映画
柴田よしき氏によると"とてつもない才能"を開陳した著者の、ホラーサスペンス大賞特別賞受賞第一作。小学生が主人公の"本格"ミステリィ。
ミステリィ部分は読み進むうちに氷解するが、それよりこの小説の肝は主人公の抱える
絶望にあると思う。
両手でも抱えきれない、辛さ痛み寂しさ。覗くことは怖く、受け容れることは尚更苦痛。そうして物語を創ることは、きっと誰もがしていることなんだ。妄想と想像と錯覚はいつだって守ってくれるよ。
02/02/2006 Thu 22:48 | 読書
映像製作会社で働く主人公が、元天才少女ヴァイオリニストと呼ばれた女性、園子のドキュメンタリィ番組を制作する。留学先での文化摩擦による挫折や自殺未遂を経た末、楽器をヴィオラに持ち替えて再起するというその番組の放送後、彼女は"日本の誇る天才ヴィオリスト"と一躍脚光を浴びることに。賞賛と批判、感動と視聴率のはざまで揺れるテレビ制作現場の複雑な人間模様を描きながら、"人の心を打つ"とは一体どういうことなのかを問いかける。
園子さんは、
フジ子・ヘミング氏を想起させますが、着想はそうなのかしらん。
ドキュメンタリィという形のドラマ、いや神話を作った。
操られた主人公の懊悩。それを嘲笑うのは仕組んだ出演者。マスコミちゅうのは、げに恐ろしかね。女ちゅうのは強かかね。
読後、偶然にもフジ子・ヘミング氏のドキュメンタリィを観たけれど、日本のドキュメンタリィにつきものであるところの、ナレーションの感情の強要には閉口。一方通行だからね、メディアなんて。
自分の目で見聴きしたもの以外は、信じることなんかできないだろ?いや時にはそれさえもぐらぐら揺らぐくらい。
01/02/2006 Wed 19:31 | 読書
01/02/2006 Wed 12:16 | 映画
請われても真似はしないけど、こういうメンタリティは尊重しなくてはいけません。Crazyが最上級の賞賛。
01/02/2006 Wed 12:01 | 映画
リビングはスケードボードパーク、スケートリンク、庭には象、天井をぶち破りポールを造り、トンネルを掘って庭から潜入。動じないPhil、キレるVito、叫ぶApril、笑い転げるBam一味。
悪戯と呼ぶには大掛かりに過ぎる、
想像を実在化する、この快感。
01/02/2006 Wed 11:59 | 映画
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