一千一秒の日々/島本 理生

一千一秒の日々
マガジンハウス
島本 理生(著)
連作短編集。リレーのように主人公が引き継がれてゆく中で、大学生や若者の心の機微が丁寧に描かれている。
著者は1983年生まれ、その乖離のなさが読んでいてとっても好ましい。ナラタージュほどの吸引力はないかもしれないけれど、瑞々しさと醒めた感覚の配合が良いな。

30/07/2005 Sat 11:40 | 読書

I love you/伊坂 幸太郎, 石田 衣良, 市川 拓司, 中田 永一, 中村 航, 本多 孝好

I love you
祥伝社
伊坂 幸太郎(著), 石田 衣良(著), 市川 拓司(著), 中田 永一(著), 中村 航(著), 本多 孝好(著)
オール書下ろしの恋愛をテーマにしたアンソロジィ。
大好きな作家と、関心のない作家と、作品によっては割りと好みの作家が混在しているので、あまりお得感がない一冊。
競作ものを読むたびに、あからさまに力量が露呈するので、作家さんは怖くないのだろうか、といらぬ心配をしてしまいます。
それにしても、この祥伝社のシリーズはどれも直球のタイトルなんだけど、これは群を抜いて身も蓋もないタイトル。

29/07/2005 Fri 13:28 | 読書

ぱちもん/山本 甲士

ぱちもん
小学館
山本 甲士(著)
文庫書き下ろし。ぱちもんとは偽物、まがいもの。やろうと思えば誰でもやれる「ぱちもん探偵」たちの連作短編集。
氏のひらがなタイトルシリーズは、
どろあかんかびとげ、どれも関西弁が絶妙で、笑いとペーソスが巧く描かれています。さながら笑いながら怒る感じとでも言いましょうか。
それにしても、このカバーイラスト、良い味出しすぎ。

27/07/2005 Wed 20:56 | 読書

ポセイドンの涙/安東 能明

25年前、ひとりの人間を殺した過去を持つ新進ファッションデザイナーのもとに「函館に戻ってきなさい」という脅迫状が届く。帰郷した彼を待ち受ける新たな事件。
著者によると、「構想17年」の渾身の作品。
15秒強奪 箱根駅伝漂流トラック、これまでもその取材の丁寧さと細かさには定評があった氏だが、この作品はこれまで以上の徹底っぷりに驚嘆。惜しむらくはサイドストーリィのエレメントが盛り沢山で、散漫に感じなくもなかったこと。勿体ない。

27/07/2005 Wed 20:10 | 読書

ジャケット美術館

OOPS! ジャケット美術館
It´s fabulous! カテゴライズの妙。

26/07/2005 Tue 17:28 | 音楽

ストーミーマンディ/牧村 泉

ストーミーマンディ
幻冬舎
牧村 泉(著)
親と姉を殺めた枷を背負う女が、若い女と男に出逢い、さらに深い闇の中に嵌ってゆく。全体を覆う救いのない暗さ。タイトルはモダンブルース・ギターの父、T-Bone Walkerの、「They Call it Stormy Monday(But Tuesday´s Just as Bad)」。主人公が聴くこの曲の歌詞が象徴的。荒れた月曜日のブルース。

今日は台風7号の、Stormy Tuesday.

26/07/2005 Tue 08:29 | 読書

blogもいろいろ

シゴトで某大手のblogを立ち上げる。
有料ながら画像容量が1テラ!というサーヴィスが3ヶ月無料キャンペーン中。
が、しかしカスタマイズしようとしたら、CSSのみしか編集できなくて驚いた。それはいくらなんでもないでしょうに。このFC2blogの良さを実感しましたわ。

25/07/2005 Mon 19:23 | Web周辺

Plaza de Armas 古都のソカロは

夜のクスコ
遠くの山にはVIVA EL PERUという文字が見えます。
ここはPeruの古都Cuzco。
観光地ですからtouristyですが、夜の帳が下りたらばオレンジ色の外灯が灯り、インカの壁が両脇に迫る狭い石畳の道をそぞろ歩くと、時空感覚が狂います。

Plaza de Armas アルマス広場はひとたび腰を下ろすと、靴磨きにガム売り煙草売り、リャマを連れた土産物売りにわっと囲まれ、退屈することはないでしょう。

「クスコ」とは、ケチュア語で「へそ」を意味するとおり、スペインに侵略されるまで、インカ帝国の首都でした。標高3360mに位置するということは、つまり富士山の3776mとほぼ変わらない、と今更知るほどに高山病の記憶はないのでありました。

我知らず、世界の車窓からのPasticheになってしまった。

24/07/2005 Sun 21:08 |

優しい音楽/瀬尾 まいこ

優しい音楽
双葉社
瀬尾 まいこ(著)
中篇3作。氏の特徴であり、持ち味なんだけど、落としどころが綺麗に刈り込まれた芝生や、敷き詰められた落葉みないな感じ。決してコンクリートや汚泥には落ちないという意味で御伽噺ですね。でも、a bit boring.

24/07/2005 Sun 14:30 | 読書

SPEED/金城 一紀

SPEED
角川書店
金城 一紀(著)
The Zombies Returned!!
映画化されたフライ,ダディ,フライ同様、今回は女子高校生が彼等と知り合い、彼等に鍛えられながら、彼等の世界、新しい世界へ飛ぼうとする。
南方、萱野、山下、朴舜臣、アギーのThe Zombiesの愛しいことといったら。
「頭で納得できても心で納得できなかったら、とりあえず闘ってみろよ」
「安心しろよ。おまえのことは、俺たちが命を懸けて守るから」
高校生の頃こんな男子に逢ってみたかったと萌えながら、ワンツーを繰り出すことを止められないのは毎度のこと。
山下、きみがいるから世界はどうにかバランスとっているんだよ。最低な場所にいても、馴染まなければ良いだけだ。

23/07/2005 Sat 21:21 | 読書

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~/リリー・フランキー

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~
扶桑社
リリー・フランキー(著)
沁みました、とても。

22/07/2005 Fri 12:10 | 読書

パレット/前川 麻子

パレット
光文社
前川 麻子(著)
渋谷の公立中学に通う少女たちの物語。
どうなんでしょう、これ。
女子中学生の日常とあるが、主人公二人が美少女という設定はすでに、非日常。恋人が三十代サラリーマン、とくれば、姫野カオルコ氏のツ、イ、ラ、クを思い出すけれど、それには遠く及ばす。
森絵都氏の永遠の出口ほどのリアリティも共感も抱けぬままに読了。
どうなんだろ、これは。「渋谷に生まれ育った中学生」ってだけで引っ張るには辛いなあ。昨年読んだファミリーレストランは、ああ、こういう形もありなのかと思ったんだけれど。

21/07/2005 Thu 21:42 | 読書

6ステイン/福井 晴敏

6ステイン
講談社
福井 晴敏(著)
6ステイン(6つの染み)、市ヶ谷−防衛庁情報局のエージェントが、それぞれに抱える心の葛藤を描いた短編集。
が、しかし、読了した後の脱力感は長編のそれに勝るとも劣らぬ。個々の人間臭いドラマ、特殊な世界のディテールの描写、圧倒的なパワーで心を持って行かれました。Reading highのまま異界に連れて行かれてました。めくるめく脳内トリップ。
最終話「920を待ちながら」は圧巻。

20/07/2005 Wed 23:02 | 読書

雨にもまけず粗茶一服/松村 栄子

雨にもまけず粗茶一服
マガジンハウス
松村 栄子(著)
弱小茶道家元の長男、遊馬は家業に嫌気がさし、京都に出奔したものの、茶の湯の世界からは逃れられぬ。出逢う人々の茶への思い、連綿と続く家業の血縁、京都という土地で少しずつ変わってゆく、彼の青春物語。
茶の湯に京都、それだけでもう異界感たっぷり。烏帽子を被り「おじゃります」とはんなり答えてお点前一服。私が生息する世界とは違う位相で繰り広げられるストーリィ。登場人物が好人物ばかりですが、遊馬の成長ぶりは微笑ましく読めました。京都、彼の地は余所者に底意地悪く、その氷の微笑に振られて振られても、観光客は足繁く通うのでしょうか。

19/07/2005 Tue 22:35 | 読書

ロズウェルなんか知らない/篠田 節子

ロズウェルなんか知らない
講談社
篠田 節子(著)
温泉も産業も歴史もなく、高速道路も新幹線も素通り、一時は湧いたスキー場も閉鎖され、安楽死を待つだけの駒木野町。売りはといえば澄んだ空気に輝く星空、そんな町の若旦那衆が村おこしを起こす。村おこしといえば、メリーゴーランドでも笑ったけれど、こちらは「四次元地帯」と称したオカルトチックなコンセプト。
篠田氏のコメディ路線の作品で、旦那衆の形振り構わぬ奮闘振りは、地方故のペーソス、苛立ちが滲み出ている。

実際首を傾げざるを得ない、あるいは失笑せざるを得ない観光地は山ほどある。福島県飯野町はUFOの里モーゼの墓キリストの墓、こういう緩くて脱力するような観光地が好きな人だってたくさんいる彼らなら放ってはおかない、こんな素敵な観光地。
観光なんて胡散臭さなしに成立しない。(中略)訪れる物好きを幻惑して非日常を提供するのが観光産業なのだから。
このパラグラフが真理だろうな。
人の手が たくさん入れば入るほど 笑いが増すよ 観光地

17/07/2005 Sun 20:26 | 読書

インディゴの夜/加藤 実秋

インディゴの夜
東京創元社
加藤 実秋(著)
第10回創元推理短編賞を受賞した表題作をシリーズ化した連作集。女性フリーライター晶と編集者塩谷がオーナーをつとめる渋谷のホストクラブclub indigo。このクラブを巡って起こる事件を、晶とともにホストたちが解決に乗り出す。
というストーリィとなると、どうしたって池袋ウエストゲートパークを想起せざるを得ないわけだが、テンポよい展開に、キャラクタの配置の妙もあり、こちらもシリーズ化しそうな予感。

15/07/2005 Fri 19:19 | 読書

第133回 芥川賞・直木賞

候補作を知ってから一週間。
文学賞メッタ斬り!を読んで、受賞作なしの芥川賞と本屋大賞対策の直木賞という認識を新たにいたしました。

んが、しかし、芥川賞は、中村文則氏の「土の中の子供」。ぬぬ。
直木賞は、朱川湊人氏「花まんま
どちらの賞も、一見地味でニッチなところを突きながらも、実はもっとも無難な感じ。
「二日後には、世間の人はみんな今回の両賞受賞作を忘れている」大森さんの仰るとおり。

14/07/2005 Thu 19:20 | 読書

7月24日通り/吉田 修一

7月24日通り
新潮社
吉田 修一(著)
自分の住んでいる街を、行ったこともないポルトガルはリスボンに見立てて暮らしている女性が主人公。「岸壁沿いの県道」を「7月24日通り」と呼び、「丸山神社前」は「ジェロニモス修道院前」と言い換えられる。
なんていうディテール、十の自己分析、実にうまく捉えているのに感心。女性の一人称にも違和感がなくてさらさらと読めた。決して共感はしなかったけれど。東京湾景以降、すっかり恋愛小説の書き手みたいに言われているようだから、そういう需要には合っているのかしら。ストーリィといい、展開といい、長さといい。
長崎乱楽坂や、ランドマーク、そしてちょっとメトロセクシュアルな春、バーニーズでと、作品ごとに醸す匂いや印象が違い、むむ策士よのう、と思うのでした。

14/07/2005 Thu 19:15 | 読書

GoogleマップとGoogleローカル

GoogleマップGoogleローカルの日本でのサービスが開始。
Googleローカルは、キーワードと場所の、Web上の検索結果と、地図情報が表示される。これと連動したGoogleマップは、地図をドラッグして移動でき、スライダーで拡大縮小も可能。さらに、衛星写真や航空写真によるサテライトビューがちょっと楽しい。
まだベータ版だけど、かなり使える感じです。

14/07/2005 Thu 14:31 | Web周辺

上陸/五條 瑛

上陸
講談社
五條 瑛(著)
リストラされ職を失った中年男の金満、二十代で前科持ちの博打と酒に目がない安二、パキスンタンから密入国した「真面目な不法滞在外国人」のアキム。
三人は「金がない」ことを絆にして、気が合うわけでもないのに、建設現場で日雇い労働をしながら、共同生活を送る。

これまでの五條氏の作品に比べると、ウエッティな感じ。
連作短編の幕間の金満のくだりが沁みます。

13/07/2005 Wed 22:46 | 読書

サウスバウンド/奥田 英朗

サウス・バウンド
角川書店
奥田 英朗(著)

元過激派の父、一郎に翻弄される家族を長男二郎の立場から描いた物語。第一章は二郎の冒険物語。第二章はサウスバウンドした一家の物語。
一郎の破天荒っぷり、元活動家の母さくら(このネーミング、笑)二郎たち兄妹三人、彼等を取り巻く人々、いいな、いいな、いいなあ。
家族を描きながらもウエットなところがないのが、何より、良い。名作、空中ブランコイン・ザ・プールの伊良部氏といい、奥田氏の創り出すキャラクタは突き抜け方が爽快。今回は、「普通じゃない」大人であり、何より自分の父親である一郎の姿を、子どもの「分からない」視点から描いているのが、新鮮。
南の島に行く前夜、親友と別れたあとの二郎の独白ったら、白眉。
別れは、淋しいことじゃない。出会えた結果のゴールだ。

12/07/2005 Tue 21:23 | 読書

むかしのはなし/三浦 しをん

むかしのはなし
幻冬舎
三浦 しをん(著)
日本昔話をモチーフした連作集、の顔をした長編だと読了して思う。むしろ、昔話の意味はない気さえする。それぞれの物語の主人公は、自らの変化を状況を出来事を体験を、誰かに、誰でも良いから、伝えようと、語る。彼らのおかれたそれは終末に近いものだけれど、語ることによって生き延びる物語がある。何よりも恐ろしいのは、人間の想像力だということ。

デビュー作格闘する者に○の頃から、文章が作品ごとに巧くなっているのが明らか。直木賞候補作、むべなるかな。

10/07/2005 Sun 21:01 | 読書

死神の精度/伊坂 幸太郎

死神の精度
文藝春秋
伊坂 幸太郎(著)
死を実行するための「調査」をする死神と、その対象である人間との接触を、ラブストーリィ、ハードボイルド、ロードムーヴィ、とスタイルを変えて描いた連作集。ストーリィはリンクし、「旅路の死神」の章では重力ピエロの春くんが出演し、要所要所で、にやりとさせられる。
動物とは異なる、人間独自のつらいことのひとつに、幻滅、があるじゃないか。

死神のキャラクタ、クールでイノセントでチャーミング、「ミュージック」を偏愛するなんて、実に有機的で何より伊坂氏的。死神に言わせる「人間」の理解できない部分が、読み飛ばせないフレーズ揃い。
人が生きているうちの大半は、人生じゃなくて、ただの時間、だ。
あんなにたくさんの人がいて、人間のことで悩んでいる奴は、たぶん一人もいない。
人間の生きる歩みは、いつだって、えっちらおっちらだ、とも思った。
人間は、何を見ても人生と結びつけるのだ。

久しぶりに逢えた新刊で楽しめたけれど、やはり長編を切に待ち望みます。

10/07/2005 Sun 12:14 | 読書

デイリーポータルZラジオ

@niftyデイリーポータルZでもPodcastingが始まった。
第1回を聴いてみた。ら、その音質、トーク、すべてが脱力(笑)。
そういう意味ではデイリーポータルZらしい感じ。林さんと住さんの声を聴いたのも初めてで、これからどんな内容になるか気になるところです。

10/07/2005 Sun 12:01 | iPod

ザ・ピルグリム/島村 洋子

ザ・ピルグリム
中央公論新社
島村 洋子(著)

タイトルのピルグリム pilgrimとは、聖地巡礼者、または放浪者、さすらい人という意味の英語。巡礼始祖、ピルグリム=ファーザーズからきているのかな。
離婚間際の母親に、四国八十八箇所のお遍路バスツアーに参加させられた小学生が、倒産した動物園から連れ出されたキリンのダーニと出逢う。この設定だけでぐっとくるのに、キリンを捜し、出逢う人々が、それぞれの事情と思いを抱え、少しずつ連鎖してゆく。その誰もが、気負いのないおかしみを持って描かれていて、群像劇は展開すれど、四国の情景と相俟って、おっとりのんびりな感じで読めた佳品でありました。

島村氏の作品では、家族善哉が好きだが、この作品も同じ匂いを感じた。

09/07/2005 Sat 11:54 | 読書

この道を何往復したことでしょう


Guatemalaの世界文化遺産、Antigua。
街全体が外国人に最適化されているお陰で、無用なハッスルフリーの暮らしやすい街でございました。

08/07/2005 Fri 20:49 |

火のみち(上・下)/乃南 アサ

火のみち (上)火のみち (下)
講談社
乃南 アサ(著)

終戦後、満州から引き揚げてきた貧困と混乱の中、妹のために人を殺めて刑務所に入った兄、その兄を慕い、頼り、支え続けた妹。兄は刑務所で出遭った陶芸に魅せられ、妹は女優へと自らの道を進みながら、戦後を、昭和を生き抜いていく。

音道貴子刑事シリーズ以外の氏の作品では、風紋〈上〉 風紋〈下〉晩鐘 (上) 晩鐘〈下〉の一連の物語など、長ければ長いほど面白いと思っていたが、これは昭和という時代背景も手伝って、まさに独断場。

あの時代にあっては血の繋がりというのは、こんなにまでも濃ゆいものなのでしょうか。必死、命がけ、といった言葉が連発され、生き抜くことにしがみつき、家族を支え続ける妹の献身さに、ただただ驚くばかり。
一方、兄は汝窯(じょよう)で焼かれた青磁の天空の色に骨抜きにされて、それを再現することだけに命を懸ける、身を削る、心を傾ける。
その様たるや、器に狂わされたというしかなく、11世紀北宋時代に作られたという汝窯の青磁が見て触れてみたくならないでいられようか。市場に出回ることはもちろんないのだが、なんでも小さな皿で一枚一億円以上の値がつけられるとか。
故宮博物院

08/07/2005 Fri 20:45 | 読書

第133回 芥川賞・直木賞候補

第133回芥川賞、直木賞の候補作、毎回楽しみにしている大森望・豊崎由美両氏による受賞作予想のお二人のコメントに激しく首肯。
前回まで芥川賞の候補にいた絲山秋子氏の候補作、「逃亡くそたわけ」は面白く読んだし、どちらかというと直木風味の作品だったので、こっちにシフトしたんでしょうか。
森絵都氏「いつかパラソルの下で」「永遠の出口」が、個人的にはとても好きな作品なので、この候補作に物足りなさを感じてしまう。2005年本屋大賞を受賞した恩田陸氏の候補作も、どうしてこれなんでしょうか。

候補作品については、タイミングやら戦略やら、大人の事情もあるのだろうけれど、もっと素晴らしい作品で出馬できるのに!毎度毎度歯痒さを感じるのです。
直木賞候補は全体的に若くて吃驚、芥川賞候補はラインナップに首を傾げてしまう、そんな両賞の発表は7月14日。それよりも恒例の「メッタ斬り!版 芥川賞、直木賞選考会」のほうがよほど楽しみです。活字ジャンキィにとっての、お祭りですから。

07/07/2005 Thu 20:12 | 読書

存在の耐えられないつまらなさ

Web Site Expert #03
技術評論社
Web Site Expert編集部(編集)

特集記事はさておいて、瀬名菊子氏の「電子網上御茶処」のblogについてのコラムが非常に面白かった。
総務省によると2005年3月末のブログ利用者は約335万人、SNSは約111万人、と一時期の個人サイトの大繁殖を彷彿とさせる勢いで増えているWeblog、天候暦に始まり、感想感情繰言の垂れ流しの軽いコンテンツを、彼女は
人はどこまでつまらない情報に耐えられるのだろう。
と嘆く。
情報としてまったく価値のない、それがどうした的発言に何がしかの反応ができるとしたら、それはユーザを見知っている人だとしか私には思えない。

サーバの無駄遣い些細な日常の記録は、やがて奔流となって流れ出し、我等が電子の蜘蛛の巣は、無意味なコンテンツと、極めて個人的な感情と、文章以前の独白で溢れかえる。などと危惧しないところに彼、彼女等のタフさがあり、その底抜けの明るさを
おっちょこちょいトークへの限りない欲求

と定義することで彼女は溜飲を下げている。
庶民の大好きなあのフレーズ、「王様の耳はロバの耳」と検索してみたならば、誰もが何かを言いたくて、聞いて欲しくて、うずうずしていることがよく分かります。
検索のヒット数が増えることと、情報の選択肢が増えることは同義ではありません。

07/07/2005 Thu 00:02 | メモ・テキスト

CSSのバグ

リンクを貼っている画像のborderに、a:hoverが作動したりしなかったりする。
画像によってまったく作動しない、あるいはマウスオーバーのままのborderの色で戻らない、といった有様。
処々調べ試してみたところ、どうやらCSSのfloat:left;、あるいはhtmlでleftの指定をするとバグが起きるらしい。
このスタイルの重要性は低いとはいえど、散発的なバグに隔靴掻痒。tableを使えば解決するのだろうけれど、それは自分の中で本末転倒。

06/07/2005 Wed 20:53 | Web周辺

Get Born/JET

Get Born
Elektra
Jet(アーティスト)
オーストラリア、メルボルン出身の4人組のデビューアルバム。The Kinks、同郷のAC/DC、そしてOasisのように、兄弟(GとDrのニックとクリス・セスター)から出発した彼等、The Rolling Stonesのキースが見初め、The Rolling Stonesのオープニングアクトを務めたらしいです。

素晴らしいことに、オフィシャルサイトではこのアルバムを全曲フルで聴くことができる。どこを切ってもRock、それもキャッチーな、どこかでかつて聴いたことのある、Rock。AC/DC,Oasis,T-REX,The Black Crowes,Small Facesなどなど。Rock´n Roll は泥棒行為だから、彼等は若き怪盗なんですね。

05/07/2005 Tue 17:09 | 音楽

聖者は海に還る/山田 宗樹

聖者は海に還る
幻冬舎
山田 宗樹(著)

カウンセリングによる心の救済と、そこに隠された危険性。と帯にあります。まず巻末の参考文献の羅列に驚く、が至って読みやすかった。自身のカウンセリング体験をを思い出してはみたけれど、やはりこの小説はファンタジィ。もっと色濃く描写して欲しいと思う場面が多かった。

02/07/2005 Sat 21:02 | 読書

iPodとiPod photoがひとつに

Apple iPod 20GB [MA079J/A]
iPodとiPod photoがひとつになりました。
というニュースに肩ががっくり下がりそうになる。あまりに早いよローテーションが、さ。ユーザフレンドリィにもほどがあるわ。
ただ液晶がカラーというだけで、Photoじゃない限り、あまり意味はないし、iPod第5世代のリリースはまだ先の様子だし、と自分に言ってはみるものの、カラー欲しい、という欲望に蓋をするのはだだをこねる幼児を宥めるくらい難儀。

02/07/2005 Sat 13:03 | iPod

Podcasting対応のiTunes 4.9日本語版リリース

今回のリリースで、iTunes Music Storeに追加されたPodcastsのプログラムは思った以上に充実。
日本語の番組も2つ登録されていたし、日本語での代表的ポータルサイトデジオの宇宙色々もこれから面白い番組がどんどん増えてくれると良いけれど、しかし、本当に欲しいのは、ラジオ局のネット配信。

02/07/2005 Sat 12:49 | iPod

私という運命について/白石 一文

私という運命について
角川書店
白石 一文(著)

主人公の29歳から40歳までの約10年間を四通の手紙を軸に描く物語。運命という言葉は小説において取り扱いに注意が必要だ、と思っているが、今までの氏の作品に比べると、心の持っていかれ方が弱かった。こういうストーリィを例えば桐野夏生氏や篠田節子氏が描いたらどうなるのかしらん、と思わずにはいられない。
諸所のサイトの男性と女性の感想が見事に分かれているのが面白い。

01/07/2005 Fri 13:47 | 読書

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arroyo

音楽聴いて映画を観たらお気に入りの本を持って、知らない土地へ行ってみよう。